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妙慶寺(野町)伝わる大小暦板のお話(H23年10月31日)

天狗さんの寺金沢検定まであと2週間ほどです。「簡単に受かるだろう!しかも初級だし!」となめてかかってた試験勉強も、現在四苦八苦しながら、奮闘しています。なんといっても原因は、やっぱり記憶力の衰えですね。問題集を繰返しやってますが、さっぱり記憶に残りません。せいぜいあと二週間頑張りたいと思います。
ところでそんな中、興味を持ったあるお寺に伝わるお話をひとつ紹介します。野町にある妙慶寺というお寺に伝わる「大小暦板」にまつわるお話です。
このお寺の五代住職・向誉上人(こうよしょうにん)が法事を済ませ、近くの近江町市場を歩いているときのこと。なにやら、子供たちが騒々しく騒ぎ立てている光景が上人の目にとまった。なんの騒ぎかと近づいてみると、売り物の魚を咥えたトンビを捕まえ、皆でいじめているではありませんか。子供たちは「売り物の魚を盗んだ、こんなトンビは殺してしまえ!」と口々に叫んでいるでいました。
その光景を見た上人は、「どんなことがあったかは分からんが、よってたかって生き物をいじめるものではない」と子供たちを諭し、「全ての生き物の命はただ一つ。このトンビを私に譲ってはまらえないか」と申し出ると「お上人様がそうおっしゃるなら、お上人様にお任せ致します」とトンビを上人に渡しました。上人はそのトンビを寺まで連れて行き、「もう悪いことはしてはならんぞ!」と言い聞かせ、トンビを逃がしてあげました。
そしてその晩のこと。眠りについた上人の夢枕に天狗が現れ、「私は昼間、あなたに助けてもらったトンビです。助けてもらったお礼にきました。何か欲しいものがあればなんなりとお申し付け下さい」。すると上人は「私はただ可哀想だったから、助けたまでお礼にはおよびません」と答えました。しばらく考えた天狗は「ではこのお寺を末永く火事からお守りしましょう!」と言い、どこからともなく八角形の板を取り出し、爪で表に「大」という字をそして裏には「小」という字を彫ったということです。そして天狗はそのまま消えてしまいました。
明け方、目覚めた上人は「変わった夢をみた」と言いつつ、枕元に目をやると確かに表に「大」、裏に「小」と刻まれた八角形の板があるではありませんか。そこで上人は天狗が現れたのは夢ではないことを確信し、天狗に感謝し、その八角形の板をお寺の庫裏(台所)の柱に掛け、大の月には「大」の面を、小の月には「小」の面を表にして使ったそうです。
以後、妙慶寺は周りで火事があっても、一度も燃え移ったことがないそうです。今でもこの「大小暦板」は妙慶寺に掛けられ、この寺を火災から守っているということです。そしてそれにあやかって金沢の商家や旧家では「大小暦板」を家に掛けるようになったということです。
新しく手に入れたお家のどこかに金沢伝来の「大小暦板」を掛け、大切な財産を火災から守ってみてはいかがでしょうか?